イギリス人フォトグラファー、ハーリー・ウィアー(Harley Weir)の作品集。「世の中すべての人形(All the Dolls in the World)」に捧げた1冊。本作は、身体や美、女性(または人)の人工的な描写、望まれることへの欲求といったテーマを取り上げており、ボディ・ホラーの要素が純粋な美しさを貫くことで捉えられている。決して綺麗ごとでは済まさず、かなりショッキングな内容で描かれている。208ページに渡り、作者の美学のあらゆる側面を表しており、鑑賞者自身の見え方を変えるかもしれない。
本書は、キュレーターであり批評家のシャーロット・コットン(Charlotte Cotton)が寄稿したテキストを収録。「The Exquisite Corpse(優美な屍骸)」と題されたこのテキストでは、アメリカ人モデル、写真家のグィネヴィア・ヴァン・シーナス(Guinevere van Seenus)、プエルトリコ人デジタルアーティストのアマリア・ソト(Amalia Soto)、アメリカ人写真家のジャスティーン・カーランド(Justine Kurland)など、これまで様々なアーティストと交わした会話を織り交ぜている。トランスジェンダー・アーティストであり作家、監督のアッシャー・ハートマン(Asher Hartman)のディレクションによって劇的なテキストにまとめられている。