【DAWN】DAWN N°2 SUSTAINABLE FUTURE
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前号より早2年。特集テーマをSUSTAINABLE FUTUREと題したN°2は、創刊号の3倍のボリュームとなったN°1.5から、さらにページ数は増量し、判型も拡大。
アートディレクターは前号に続き、石黒景太がほぼ全てのページを手掛ける。
B5変形。全204頁。
-INTRODUCTION-
はっきりした指針を示さないコロナ対策に我慢の限界はとうに超え、なし崩し的に通常の日々が戻りつつある。制限がなくなること。もちろんそれ自体は喜ばしいことだが、虚構と事実が錯綜するネット社会において一体何が本当のことなのか、もはやわからなくなっているのが正直なところだ。それに加え、ロシアのウクライナ侵攻に、止まらない円安と物価上昇。こんな時こそ、民衆の不安を少しでも取り除く役割を果たすのが本来の国家のあるべき姿だが、判断を各人に丸投げし、なかば責任を放棄しているとしか思えない対応には、疑問と怒り、そして虚しさが去来する。行き過ぎた市場経済が生んだ効率・競争社会による格差と分断の溝はパンデミックによってさらに深まり、それを打開するために掲げられた「ニューノーマル」や「価値観のアップデート」といったスローガンも、気づけば耳にすることはなくなった。
結局のところ、あれから何か変わったのだろうか。
あの時思ったことは、まだ忘れずにもっているだろうか?
とは言え、今月も支払いは迫ってくる。現実は過酷で無慈悲だ。眼前にかかったモヤは、いまだ晴れることがない。
それでも、この社会を取り巻く問題の数々に絶望するのではなく、責任を引き受けていく姿勢ではあり続けたい。特にストリートカルチャーは、足を突っ込んでいる全員がプレイヤーでもあるDIY文化だからこそ、なおさらこのカルチャーに恩恵を受けた人たち自身の手で、次世代へと文化を受け継いでいく必要がある。当然それはカルチャーの末席にいる本誌にも言えることだ。そこで、今このテキストを読んでくれているモノ好きなあなたや、そこから転がっていった先で手に取ることになる人が少しでも良い方向に向かう一助になるような、そんな信頼に足る言葉を持っている人たちのことを思い浮かべていくとそこには共通点があった。
続けている人たちだ。
初期衝動はとうの昔に過ぎ去り、剥き出しになった己と対峙して、それでも表現を続けている根っからの表現者たち。そんな人たちが持つ、重ねてきた時間の上にしか成り立つことのない言葉。それこそが資本主義の名のもとで、すぐに消費されるインスタントな現代が見失ってしまった言葉であり、いま聞きたい、聞くべき言葉ではないだろうか。それは、たとえトレンドとの距離があったとしてもいい。そもそもトレンドなんてあってないような時代なのに、脚光を浴びるのはごく一部のアーティストの、それもごく一部の期間だけに限られているのがおかしな話なのだ。素晴らしい才能を持った人たちはまだまだ他にもいる。本誌が担うべきなのもそうした人たちに光を当てていくことなんだと思う。こうしてアーカイブしていったのが今号となる。
続けるには忍耐を伴う。痛みや失敗、後悔もつきものだ。それでも諦めずに続けてきた人たちの言葉は、きっとあなたの行き先を示唆してくれるに違いない。
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