ドイツ人画家、ゲルハルト・リヒター（Gerhard Richter）の作品集。アートワークと文章で表現する抽象性と偶然性を追求した一冊。
「ここで見ることができる100作の抽象画（100 Abstract Pictures）は、5年ほど前から取り組んでいる作品です。50x50cmのガラス板にエナメル塗料を注いだことが始まりでした。絵の具は完全には混ざり合うことなく、互いに流れ込んでいく。結果、数え切れないほどの刹那的な抽象画が生まれました。それを私は写真に収めました。この本では、ランダムに生成されたテキストの構成と、ペインティングを並列させています。」― ゲルハルト・リヒター（2023年）
60年以上のキャリアを持つ世界的ペインターである作者は、20世紀から21世紀における最も偉大な芸術家の一人と言っても過言ではない。本書では、2016年から2022年にかけて制作された新作の抽象絵画が収録されており、2023年3月から4月にかけてニューヨークのギャラリー「David Zwirner」で開催された展覧会に伴い刊行。実験的かつ革新的な制作にキャリアを捧げ続けるその姿勢を称えた一作に仕上がっている。また、作者にとって同ギャラリーでの個展は初となる。本作は作品集そのものがアートワークとして在る密な作品であり、手元という近い距離で見ること、そして抽象に対する美の解釈、どちらの感性も刺激する。
hardcover
208 pages
166 x 235 mm
color
2023
